加圧トレーニングはピラティスの効果を高めるための一つのツール
“巡りの良い身体を作る”ためのトレーニングを提供する山崎麻央さん
2020/01/27 Body make

独自のメソッドや商品開発を行っているソラーチェ代官山の山崎麻央さん 加圧トレーニングやピラティスなど複数の資格を取得し、独自のトレーニングメソッドを提供しているソラーチェ代官山の山崎麻央さん。ご自身でサロンを運営しつつ、腹筋トレーニングに関する書籍「腹筋女子」を出版。また、セミナーやPB商品の開発なども行われている山崎さんに、オリジナルメソッドの特徴や今後の展望などについて、インタビューさせていただきました。
この記事のINDEX
自分自身の心身変化から興味を持った加圧トレーニング
――ソラーチェ代官山をオープンしたキッカケを教えてください。
山崎 大学卒業後、外資系IT企業でシステムエンジニアとして働いていましたが、結婚、出産を機に退職しました。ただ、毎日遅くまで働いていた生活から、産後は赤ちゃんと毎日一緒にいる生活にガラッと変わり、ちょっと鬱気味になってしまったんです。精神的なバランスが崩れて体調も悪くなったときに加圧トレーニングと出会い、身体を整えることの大切さを知りました。
しかし、その頃は赤ちゃんを連れて行けるスタジオが無かったんですね。女性は出産直後にもっとも大きく身体が変わるので、そういうときにケアできる場所があったら良いと思ったのがスタジオをオープンしたキッカケです。
お母さんは、子どもを近くで見ながらトレーニングできますし、ジムで行う通常のトレーニングは何時間もかかることもありますが、加圧トレーニングは30分程度で済みます。これなら、小さい子どもでも遊ばせながらできます。また、プライベートスタジオならトレーニング中にオムツを換えたり、授乳したりすることもできると思ったんです。
――オープンに当たり、加圧トレーニングの資格を取得されたのですか?
山崎 大学時代の親友が加圧トレーナーだったので、最初は彼女に入ってもらいました。当初、私は経営だけやっていましたが、せっかくやるならと、オープン後に勉強して資格を取得したんです。小さい頃から身体を動かすことは好きだったのですが、資格を取って始めたら夢中になってしまい、その後はピラティスやマタニティー用のピラティスなども学んでスタジオに出ることが多くなりました。
経営していても、現場に出てお客様と話したり、身体に触れたりすることはとても大切です。そうしていくうちに、気づいたらお客様の指名が増えていました。
――加圧トレーニングとピラティスは全く違うものというイメージがありますが、どのように組み合わせているのですか?
山崎 ソラーチェでは産婦人科医監修のプログラムで行っています。妊娠中と産後は身体が特殊な状態のため、やってはいけない動き、あるいは気をつけなければいけない動きが多いんですよ。だからこそ専門家に入ってもらっているのですが、加圧トレーニングは専用の機械を使い、ベルトで手や足などを締めることで血流を制限して行います。でも取り組む内容は、実のところ自由なんです。
つまり加圧トレーニングとは、その人に合った圧力を加えて血流を制限した状態で行うトレーニングということなんです。うちでは、加圧トレーニングはトレーニングの効果を高めるための一つのツールとして使っています。ベルトを巻いてインナーを鍛える動きを行い、巡りを良くして可動域を広げることでトレーニングの効果を上げていきます。
加圧トレーニングというと、激しい、苦しいというイメージを持たれる方が多いですが、うちのトレーニングはどちらかと言えば血流を促して肩こりやむくみを改善するような形です。あまり負荷をかけなくても、普通の3~5倍の負荷がかかるので、産後で筋肉が落ちている方、あるいは年配者の方でも、簡単に筋肉が作れます。

明るく温かみのあるスタジオでトレーニングを受けることができます。
激しいトレーニング不要で腹筋を割るための「最短メソッド」
――山崎さんは「腹筋女子」という本を出版されているので、もっとガチガチに鍛えるトレーニングだと思っていましたが、そうではないんですね。
山崎 違います。全体の流れを良くするとか、辛いところを取り除く、バランスを整えるといったところを重視しているので、「巡りの良い身体をつくること」をコンセプトにしています。
もちろん、「腹筋女子」という本の中で紹介しているように、キレイに筋の入った腹筋をつくりたいというお客様がいれば、きちんと指導します。ただ、ピラティスはインナーのトレーニングなので、腹筋を割るようなものではありません。
――では、著書の中で書かれている「最短メソッド」とはどのようなものですか?
山崎 メソッドは、私がもともと取り組んできたことです。部位を鍛える場合も、呼吸や食事面、あるいは全身を温めることなど、土台を大事にしています。そこをしっかりケアしないと、短期間で結果は出ないという内容なんです。逆に、そこを気をつければ、短期間で腹筋が割れます。約20名にモニターを行ったところ、全員が1カ月半ほどで腹肉が割れました。特に女性は骨盤が歪んだり、全身のバランスが崩れたりしている人が多いので、そこを意識すると、激しいトレーニングを行わなくても元に戻るんです。ですから根本的な考え方は、ソラーチェのトレーニング同じなんですよ。
――腹筋を割るのとくびれを作るのでは、トレーニングのメソッドが異なるのでしょうか?
山崎 それは対極のところにあります。くびれを作るためには、どちらかと言えばストレッチメインのトレーニングを行ったが良いです。くびれは、肋骨の一番下と骨盤の間にいかにスペースを作って柔らかくするかなんです。トレーニングというよりも簡単なストレッチのイメージですね。
でも腹筋に縦線を入れたいとなると、例えば、左右両方の腹直筋を厚くしていかないといけません。その場合は、ストレッチだけでは難しくて、いわゆるアウターと言われる外側の筋肉を厚くしていかないといけないので、高負荷の腹筋トレーニングが必要になります。

マンツーマンで様々なトレーニングを実施しています。
――著書の中で「女子には女子の鍛え方がある」と書かれていますが、女性と男性では鍛え方が異なるのでしょうか?
山崎 そうですね。男性はあまりくびれを意識しないので、恐らくわき腹のストレッチなどは行わないと思います。細マッチョという方もいますが、どちらかというとシックスパックに割ったりするので、回数と負荷を上げるだけではないでしょうか。
一方、女性の場合は、男性のような身体は求められていません。腹筋にうっすらと縦線が入っているぐらいがキレイですよね。ですから、アウタートレーニングを行ったら、その後に筋膜をはがすように筋肉を柔らかくほぐしていかないと、ガチガチのお腹になってしまうんです。
くびれを作るためには、筋肉を鍛えればいいのではなく、大切なのは全身のバランスなので、バランスの良いボディメイクを考える必要があります。鍛える部分とほぐす部分を考えながら行うことが大切ですが、女性の場合はその加減が難しいんですよね。
腸内環境を整えることで、身体に必要な栄養素が取り入れられる
――腹筋を割ったり、くびれを作ったりするためには、トレーニングだけでなく、食生活も大事だと思いますが、山崎さんが気をつけていることはありますか?
山崎 私はトレーニングの8割は食事だと思っています。タンパク質を摂ることはもちろんですが、もっとも大事なのは腸内環境です。腸内環境を良くしていかないと、ビタミンCやプロテインを摂っても、吸収することが難しくなってしまいます。ですから、本当は植物性プロテインの方が良いですし、乳酸菌を摂った方が良いんですよ。そういった知識を得るために、女子栄養学の学校に通って勉強して資格も取得しました。
――PB商品のプロテイン「SOY LEAN(ソイリーン)」も、腸内環境にこだわって開発されたのですか?
山崎 はい。私が勉強して飲みたいと思ったプロテインがなかったので、ビタミンを11種類、ミネラルも3種類入れていて、乳酸菌の種類にもこだわって作りました。腸まで行き届く乳酸菌を入れたり、ビタミンの量も普通に販売しているマルチビタミンの何倍も入れたり、とことんこだわりました。プロテインというより、女性に必要な栄養素が全部入っているイメージですね。女性に飲んでほしい商品として開発しました。

ソイリーンドリンク(左) と、新発売のソイリーンドリンクチョコレートフレーバー(右)
女性だけでなく男性向けにも商品やサービスを提供していきたい
――最後に今後の展望について教えてください。
山崎 これまで、身体に良いものを入れることをずっと意識してきました。私たちは知らないうちに添加物や重金属などが身体内に溜まっていて、それは自然には外に出ません。それを外に出していく、本当の意味でのデトックスをどうしたらできるのか。この部分を課題に今後も取り組んでいこうと思っています。
あとは、男性向けの商品ですね。一生懸命がむしゃらに働いてきている分、40歳を越えた頃から筋力が落ちてきますし、食生活も不規則な方が多いです。ですから、40オーバーの男性向けにセミナーなど行いたいと考えています。現在、サプリメントをはじめ男性向け商品も開発しているところです。

ソラーチェ代官山 主宰
加圧、FTP ピラティスインストラクター
臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー
山崎麻央さん
慶応大学卒業後、外資系 IT 企業に 10 年間勤務。出産を機に退職し、加圧トレーニングやピラティス、インディバ、食カウンセリングほか、多角的に体のケアを行うプライベートスタジオをオープン。自ら指導を行うほか、セミナー講師、雑誌や書籍の監修等でも活躍。また、化粧品、健康食品等の開発にも携わっている。2017 年 12 月に講談社より刊行された『#腹筋女子〜お腹が割れたら人生変わった!〜』は、発売当日に増版が決定し、話題を呼んでいる。
撮影:坂本 康太郎
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